日本語では 「が,を,に,へ,と,で,から,より,まで」 などの格助詞によって名詞と述語との関係を示します。ドイツ語では 「1格,2格,3格,4格」 という格が日本語の格助詞に相当しますが,格は4つしかなく,しかも2格は das Auto des Lehrers (先生の車) のように主に名詞と名詞を結び付けるだけなので,名詞と述語 (動詞) の関係を示す格は1格,3格,4格の3通りしかないことになってしまいます。でも大丈夫。ドイツ語には前置詞がたくさんあるので1格,3格,4格だけでは表しきれない色々な関係もしっかり表すことができます。格と前置詞の用法をマスターすることで,ドイツ語の色々な文の骨組が身に付くはずです。そうなれば,少しぐらい知らない単語があっても文全体の意味がわかってしまうということもあります。もちろん,文を作るのもスムーズになります。
個々の前置詞にはいろいろな意味・用法があり,さらに格支配という現象まであるので,一朝一夕には行きませんが,できるだけ具体的な例文の中で,少しずつ覚えるようにしましょう。以下,2格支配の前置詞の例文を挙げておきます。2格支配の前置詞はたくさんありますが,よく使われるものはこの4つぐらいです。また,他の前置詞と異なり,それぞれの前置詞の意味は一つかせいぜい二つぐらいです。
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(3)
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Statt meines Vaters kommt mein Onkel. 父の代わりにおじが来ます。
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(4)
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Trotz des Regens machen sie einen Spaziergang. 雨なのに彼らは散歩をする。
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(5)
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Er schläft während des Unterrichts. 彼は授業中に眠る。
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(6)
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Wegen einer Erkältung kommt sie nicht. 風邪のために彼女は来ない。
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(3)のmeinは英語のmyに当たる単語で,変化の仕方は不定冠詞einと同じです。ステップ21で勉強します。